2019年09月03日

両親はよく喧嘩をしていました K.K 52

 小さな電気店を営んでいた両親は、よく派手な喧嘩をしていた。いきなり、ガタガタガタと音がしたと思ったら、父が母に馬乗りになって拳で母の顔面を殴りつけていた。幼稚園の頃からそんな光景を目にしていた。所謂面前DVというヤツだが、本当に母が死ぬんじゃないかと思ったものだ。小学1、2年の頃学校からの帰り道友達と別れ、今日は喧嘩をしていないだろうかと不安な気持ちで家に帰り着いて、仲良くしている両親の姿を見るとほっとして嬉しかった。そして、なぜかそれは石油ストーブが燃焼する匂いと強く結びついている。
 父は、偏屈で几帳面、人付き合いが苦手で要領が悪く、酒が一滴も飲めず、お世辞も言えず、子供の目から見ても不器用な人だなあと思った。とても商売人とは言えなかった。ラジオやテレビに真空管が使われていた時代に電気スタンドで設計図を照らし、テスターや半田ごてを使って苦労して修理をしていた。私にはその姿から悲壮感が漂って見えた。
 母は、軽トラに乗って、得意先をまわり、テレビや冷蔵庫などをたくさん売った。時には晩御飯までごちそうになったりして、実に優秀なセールスウーマンだった。ユーモアがあり、おおらかだったが、いい加減なところもあり、プロレスが大好きでテレビにかじりついて力道山を応援し、ブラッシーを口汚く罵った。性格的に二人は水と油だったような気がする。私自身の性格は、どちらかというと父に近いかなと思う。だが、結婚したら自分の妻には絶対に手を挙げないと子供心に誓った。
 現在までその誓いは守っている。
posted by ハロフレ at 11:20| Comment(0) | 日記
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